◆ 事業承継対策
事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことをいいます。
経営者にとって、誰を後継者に選び事業を引き継ぐのかは重要な課題です。
事業承継には■親族内承継■M&A(第三者へ譲渡)■国の事業引継ぎ支援センター、など様々な方法があり
準備に非常に時間がかかる方法もあるため、早めの対策が必要です。
【事業承継の現状】
後継者選びは重要な課題ですが、現在中小企業小規模経営者245万人のうち127万人が後継者未定と 言われています。
中小企業経営者の高齢化が進み、会社の倒産以上に廃業・事業清算が心配されているのです。
そのため政府は、創業・起業と同様に、事業承継についても税制・資金面でのサポートができるよう
各種制度を準備しています。 |
事業承継の主な方法《1》
子供等親族が引き継ぐ方法
親族内承継は最も使用されている事業承継方法です。
しかし、職業選択の自由化や少子高齢化などが影響し、年々減少する傾向にあります。
中小企業の経営者が子供等に会社を承継させると、株式の評価額により贈与税、相続税が課税されます。
この納税負担を猶予するために、2018年から新たな事業承継税制が10年間の特別措置として始まりました。
2019年7月5日の日本経済新聞朝刊の記事では、522件403億円の贈与税が猶予されています。
この適用を受けるためには、2023年3月31日までに経営革新等支援機関
(当事務所は経済産業大臣から認定を受けています)を経由して管轄の都道府県知事に【特別承認計画】を提出し確認を受けることが必要です。
計画を実行するしないに拘わらず、株式評価の高い会社は納税の猶予、免除を受けるために取りあえず
提出すべきと思います。
この法律は正式には【中小企業における経営の承認の円滑化に関する法律】と呼ばれています。
円滑化法の認定を受けるためには下記の各種要件があります。
1.会社の要件 (以下の会社でないこと)
(1) 上場会社
(2) 中小企業者に該当しない会社
(3) 風俗営業会社
(4) 資産管理会社
2.後継者である受贈者の要件
(1) 会社の代表権を有していること
(2) 20才以上であること
(3) 役員就任から3年以上経過していること
(4) 後継者と特別関係者の中で最も多くの議決権を保有していること
3.先代経営者等の要件
(1) 会社の代表権を有していたこと
(2) 贈与の直前に贈与者と特別関係者で総議決権数の50%超を保有し、これらの中でも最も多くの議決権数を保有していたこと
(3) 贈与時において会社の代表権を有していないこと
4.先代経営者が死亡した場合は一定の手続きをすることにより納税猶予額が免除となります。
以上の要件に該当した場合2027年12月31日までにされた贈与、相続が対象となります。
5.個人事業については個人事業者の事業承継税制が創設され贈与、相続による特定事業用資産を保有し、
事業を継続した場合も贈与税、相続税の猶予及び免除がおこなわれます。
事業承継の主な方法《2》
民間の仲介会社による第三者に対する事業譲渡(M&A)
M&A仲介会社を活用し、信頼できる買い手に譲渡する事で、廃業するよりも資金を多く得られ
技術やノウハウ、人材や取引先を継承する事が出来ます。
事業承継の主な方法《3》
国の事業引継ぎ支援センターのマッチングサポートによる事業譲渡
国は平成23年度から、後継者不在に悩む中小企業経営者に対して、第三者への引継ぎを支援するため、
各都道府県に事業引継ぎ相談窓口及び事業引継ぎ支援センターを設置しました。
そして平成26年4月から、後継者不在の小規模事業者と起業家をマッチングする
「後継者人材バンク事業」を開始しました。
事業承継には様々な方法があり、また、準備に非常に時間がかかる方法もあります。
廃業に追い込まれてしまわない為にも、早めの準備が必要です。
事業承継をお考えの方、お気軽にご相談下さい。
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